S/4HANAには多くのモジュールが存在しますが、その中でもSDモジュール(販売物流)に関する内容についてご紹介いたします。
SDモジュールの中では、受注・出荷・請求というプロセスが存在します。
具体的には、商品が欲しい会社(得意先)から”受注”を受け、自社内に存在する在庫を元に、”出荷”を行い、費用を”請求”するというイメージを持っていただければと思います。
そんな受注を担当する皆様に、知っておいてほしいトランザクションおよび、カスタマイズ設定をご紹介いたします。
SAP S/4HANAの受注プロセスにおけるトランザクションと必要なカスタマイズ
頻繁に利用するトランザクションコード
VA01: 受注作成(Create Sales Order)
- 概要: 新しい受注を作成します。顧客情報、商品情報、数量、価格条件などを入力します。
VA02: 受注変更(Change Sales Order)
- 概要: 既存の受注を変更します。数量の変更、納期の変更、追加の条件の設定などが行えます。
VA03: 受注表示(Display Sales Order)
- 概要: 既存の受注を表示します。受注の詳細情報を確認できますが、変更はできません。
VA05: 受注リスト(List of Sales Orders)
- 概要: 特定の条件に基づいて受注のリストを表示します。受注のステータスや顧客情報などでフィルタリングできます。
必要なカスタマイズ
販売エリアの設定(Sales Area Configuration)
設定方法:
- SPRO -> Sales and Distribution -> Sales -> Sales Area -> Assign Sales Organization, Distribution Channel and Division。
- 販売組織、流通チャネル、部門の設定を行い、受注が正しいエリアに紐づけられます。
受注タイプの設定(Sales Document Type Configuration)
設定方法:
- SPRO -> Sales and Distribution -> Sales -> Sales Documents -> Sales Document Header -> Define Sales Document Types。
- 標準受注、クレジットメモリクエストなど、受注タイプごとの設定を行います。これには、ナンバーレンジの設定やステータスの設定が含まれます。
価格条件の設定(Pricing Procedure Configuration)
設定方法:
- SPRO -> Sales and Distribution -> Basic Functions -> Pricing -> Pricing Control -> Define and Assign Pricing Procedure。
- 価格決定手順を設定します。これには、価格条件、ディスカウント、サーチャージなどの設定が含まれます。
出荷ポイントの設定(Shipping Point Configuration)
設定方法:
- SPRO -> Logistics Execution -> Shipping -> Basic Shipping Functions -> Shipping Point and Goods Receiving Point Determination -> Assign Shipping Points。
- 出荷ポイントを設定し、これに関連するルールや条件を定義します。
出荷タイプの設定(Delivery Type Configuration)
設定方法:
- SPRO -> Logistics Execution -> Shipping -> Deliveries -> Define Delivery Types。
- 標準出荷、リターン出荷など、出荷タイプごとの設定を行います。これには、ナンバーレンジの設定や出荷処理のフローが含まれます。
ピッキングと梱包の設定(Picking and Packing Configuration)
設定方法:
- SPRO -> Logistics Execution -> Shipping -> Picking -> Define Picking Locations。
- ピッキングリストの生成や梱包仕様の設定を行います。
これらのカスタマイズを行うことで、SAPの受注管理プロセスがスムーズに機能し、ビジネス要件に適した設定が確立されます。各設定は実際の運用に応じて調整が必要です。
コメント