【S/4HANA】在庫管理

SAP

S/4HANAには多くのモジュールが存在しますが、その中でもSDモジュール(販売物流)に関する内容についてご紹介いたします。
SDモジュールの中では、受注・出荷・請求というプロセスが存在します。
具体的には、商品が欲しい会社(得意先)から”受注”を受け、自社内に存在する在庫を元に、”出荷”を行い、費用を”請求”するというイメージを持っていただければと思います。

ただ、その中でも、在庫がないと受注しても欠品として出荷できなくなります。

今回は、そんな“在庫”について知っておいてほしいトランザクションおよび、カスタマイズ設定をご紹介いたします。

SAPの在庫管理プロセスにおいて、効率的かつ効果的に在庫を管理するために頻繁に使用されるトランザクションコードとカスタマイズ方法についてご紹介します。

これらの情報を活用することで、SAPを利用した在庫管理をさらに向上させることができます。

よく使うトランザクションコード

  1. MM01 – 購買品目の作成
    • MM01は、新しい在庫品目を作成するためのトランザクションコードです。品目マスタデータを入力し、在庫管理に必要な情報を設定します。
  2. MM02 – 購買品目の変更
    • MM02は、既存の在庫品目の情報を変更するために使用します。例えば、品目の数量単位や価格、保管場所の変更などを行います。
  3. MM03 – 購買品目の表示
    • MM03は、既存の在庫品目の情報を表示するためのトランザクションコードです。在庫の詳細情報や履歴を確認する際に役立ちます。
  4. MB1B – 在庫移動
    • MB1Bは、在庫の移動を行うためのトランザクションコードです。例えば、倉庫間の在庫移動や保管場所の変更などを実施します。
  5. MIGO – 在庫取引
    • MIGOは、さまざまな在庫取引を処理するためのトランザクションコードです。購買発注からの受入、出庫、返品など、在庫に関連する多くの取引を一元的に管理できます。
  6. MB52 – 在庫の表示
    • MB52は、特定の倉庫や保管場所における在庫の現状を表示するためのトランザクションコードです。在庫レベルの確認や在庫分析に利用されます。
  7. LX02 – 倉庫在庫の表示
    • LX02は、倉庫管理システム(WMS)での在庫を表示するためのトランザクションコードです。詳細な在庫情報を提供し、倉庫内の在庫状況を把握します。

カスタマイズのポイントと設定方法

1. 品目マスタのカスタマイズ

設定方法:

  1. SPRO トランザクションコードを使用して、カスタマイズメニューを開きます。
  2. IMGメニューから、以下のパスをたどります。
    • Logistics – General > Material Master > Basic Settings > Material Types > Define Attributes of Material Types
  3. 品目タイプ(例: ROH, FERT)を選択し、設定を行います。
  4. 必要な属性(例えば、評価クラスや数量単位)を定義し、保存します。

2. 在庫評価の設定

設定方法:

  1. SPRO トランザクションコードを使用して、カスタマイズメニューを開きます。
  2. IMGメニューから、以下のパスをたどります。
    • Logistics – General > Material Master > Valuation and Account Assignment > Configure Automatic Postings
  3. 評価方法(例: 平均移動単価法、FIFO法)を選択し、設定します。
  4. 評価クラスを定義し、各品目に適用します。

3. 在庫管理パラメータの設定

設定方法:

  1. SPRO トランザクションコードを使用して、カスタマイズメニューを開きます。
  2. IMGメニューから、以下のパスをたどります。
    • Materials Management > Inventory Management and Physical Inventory > Define Movement Types
  3. 再発注点の設定や安全在庫レベルの設定を行います。
    • Inventory Management and Physical Inventory > Define Tolerance Limits
  4. 各パラメータを定義し、保存します。

4. 倉庫管理のカスタマイズ

設定方法:

  1. SPRO トランザクションコードを使用して、カスタマイズメニューを開きます。
  2. IMGメニューから、以下のパスをたどります。
    • Logistics Execution > Warehouse Management > Master Data > Define Storage Types
  3. 倉庫レイアウトの設定を行います。
    • Warehouse Management > Strategies > Define Putaway Strategy
  4. 入出庫プロセスの定義を行います。
    • Warehouse Management > Strategies > Define Picking Strategy
  5. ゾーンや棚の設定を行い、効率的な在庫配置とピッキングプロセスを実現します。

これらのトランザクションコードとカスタマイズのポイントを活用することで、SAPにおける在庫管理を効率的に行うことができます。日々の業務での活用をぜひ検討してみてください。

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