SAPの仕事がきついと言われる理由を、経験者目線で整理してみた

将来性

はじめに|「きつい」と感じたことがあるのは、あなただけじゃない

SAPの仕事を続けていると、
あるタイミングでふと、

  • 正直、ちょっときついな
  • なんでこんなに消耗するんだろう

と感じる瞬間が訪れます。

トラブルが続いたときだけでなく、
仕事自体は回っているのに、
なぜか気持ちが追いつかなくなったときに
この感覚が出てくることもあります。

ネットで調べると
「SAP きつい」「SAP やめとけ」といった言葉が並び、
余計に不安になることもあるでしょう。

ただ最初にお伝えしたいのは、
SAPの仕事がきついと感じること自体は、とても自然だということです。

この記事では、
SAPを実際に経験してきた立場から、
なぜこの仕事が「きつい」と言われやすいのかを
感情ではなく構造として整理していきます。


SAPの仕事が「きつい」と感じる理由

ここからは、実際にSAPの仕事を経験してきた私の観点で、「きつい」を感じる理由を6つにまとめましたので、解説していきたいと思います。

理由① 責任の重さに対して、達成感が見えにくい

SAPは企業の基幹システムです。
会計・販売・購買・生産といった、
会社の根幹を支える業務を扱います。

そのため、

  • 失敗できない
  • 止められない
  • 影響範囲が非常に広い

というプレッシャーが常につきまといます。

一方で、
大きなトラブルが起きずに稼働している状態は
「当たり前」と見なされやすく、
評価や達成感につながりにくいのも事実です。

何も起きないことが成果という仕事は、
知らず知らずのうちに精神的な疲労を蓄積させます。


理由② 横断的に考える必要があり、影響範囲が非常に大きい

SAPの仕事がきついと言われる大きな理由のひとつが、
会計・販売・購買・生産などを横断的に考える必要がある点です。

一つの課題や要望変更が出たときでも、

  • 会計処理に影響しないか
  • 販売・購買の業務フローは崩れないか
  • 在庫・原価・生産計画に波及しないか

といった視点を同時に持つ必要があります。

業務側から見ると
「少し設定を変えるだけ」に見える変更でも、
SAPでは想像以上に大きな影響を及ぼすことがあります。

この「影響範囲を常に頭の中でシミュレーションする作業」は、
精神的な負荷が高く、
きつさを感じやすい要因のひとつです。


理由③ トラブル対応が精神的に削られやすい

SAPのトラブルは、

  • 原因の切り分けが難しい
  • 業務・設定・データが複雑に絡み合う
  • 関係者が多い

という特徴があります。

特に本番稼働後や月次・決算期のトラブルでは、

  • 時間的な制約
  • 業務側の焦り
  • 説明責任の重さ

が一気に重なり、
技術以上に精神力を消耗する場面が多くなります。


理由④ 「分かる人が少ない」孤独感

SAPは専門性が高いため、
同じレベルで内容を理解できる人が
周囲にほとんどいないことも珍しくありません。

  • 説明しても伝わらない
  • 判断を委ねられる
  • 最終的に自分が背負う

この状態が続くと、
相談相手がいないまま責任だけが増えていく感覚になります。

特に3〜6年目あたりで、
この孤独感を強く感じる人は多いです。


理由⑤ 成長実感を得にくい

SAPの仕事は、

  • 分かりやすい成果物
  • 数字で測れる成長指標

が見えにくい仕事です。

実際には成長していても、

  • 本当に力がついているのか
  • 市場で通用するのか

と不安を感じやすくなります。

また、PJ期間も1年以上と非常に長期となるため、
成長しているのに実感しにくい構造が、
きつさにつながります。


理由⑥ 仕事の負荷に波があり、生活リズムを崩しやすい

SAP案件では、

  • 要件定義
  • テスト
  • 移行
  • 稼働前後
  • 月次・決算

といったタイミングで
一気に負荷が高まります。

常に忙しいわけではないからこそ、
急激な負荷の上昇が体力・気力を削ります。


まとめ:SAPの仕事がきついと言われる理由

理由具体的に何がきついかなぜ消耗しやすいか
責任の重さ基幹業務を支える成果が見えにくい
横断的影響複数領域を同時に考える影響範囲が大きい
トラブル対応原因が複雑精神的負荷が高い
孤独感分かる人が少ない責任が集中する
成長実感不足指標が見えない不安になりやすい
負荷の波繁忙期が激しい生活リズムが乱れる

それでもSAPを続けて得られるものがある

ここまで読むと、
「やっぱりSAPはきつい仕事だな」と感じたかもしれません。

ただ、SAPの仕事には
きつさを乗り越えたからこそ得られる価値も確かに存在します。


乗り越えた先に得られるメリット① 構造で物事を考える力

SAPでは、
業務全体の流れやデータのつながりを
常に意識する必要があります。

その積み重ねにより、
部分ではなく全体を見る思考力が自然と身につきます。


乗り越えた先に得られるメリット② 複雑な状況を整理し、説明する力

分かりにくい状況を整理し、
業務側に説明し、合意を取る。

この経験の積み重ねは、

  • 論点整理力
  • 説明力
  • 合意形成力

として確実に残ります。


乗り越えた先に得られたメリット③ 「簡単ではない仕事」をやり切った自信

SAPの稼働やトラブル対応をやり切った経験は、
確かな自信として自分の中に残ります。



まとめ:SAPの仕事を通じて得られるメリット

得られるものどんな経験から身につくか将来どう活きるか
構造思考業務・データ全体を見る問題解決力が高まる
説明力業務側との調整上流・マネジメントで強み
全体視点部分最適を避ける判断力が鍛えられる
精神的耐久力プレッシャー対応難易度の高い仕事に対応
自信稼働・トラブル対応キャリアの軸になる

”きつさ”を理解した上で、どう考えるか

こうして整理してみると、
SAPの仕事がきつい理由の多くは
難易度の高い仕事であるがゆえの構造だと分かります。

同時に、そのきつさを乗り越えた経験は、
必ず自分の中に力として残っています。

大切なのは、
「きついから辞める」「きついから続ける」と決めることではなく、
自分にとって何が一番負荷になっているのかを整理することです。


判断に迷ったときのための整理記事

その整理をするための考え方を、
以下の記事でまとめています。

SAP経験者が転職を考えるときの判断軸

すぐに何かを決めるための記事ではなく、
考えを整理するための記事です。


おわりに|きつさの正体が分かれば、選択は怖くなくなる

SAPの仕事がきついと言われるのは、
それだけ責任が重く、考えることが多い仕事だからです。

構造を理解し、
その先にある価値も知ることで、
選択はずっと冷静になります。

焦らなくて大丈夫です。
まずは整理するところからで十分です。

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