はじめに:SAPのワークフロー、正直どうなの?
SAPの案件をやっていると、ほぼ必ず出てくるのがワークフローの話です。
経費精算、購買申請、会計承認、マスタ変更…。
「承認フローが必要です」と言われないプロジェクトは、まずありません。
一方で、こんな声もよく聞きます。
- SAPのワークフローって使いにくいよね?
- 標準でできるって聞いたけど、実際どうなの?
- 外部のワークフロー製品の方が楽じゃない?
正直に言うと、
SAPのワークフローは「強いけど、癖がある」
これがコンサルとしての率直な感想です。
この記事では、
ベンダー資料では語られない 「実際どうなのか」 を、
他製品との比較も交えながら、かなり正直に書いていきます。
SAPのワークフローって、そもそも何があるの?
まず前提として押さえておきたいのは、
SAPのワークフローは1種類ではないという点です。
プロジェクトで名前が挙がりやすいのは、主に次の3つです。
- 従来からあるSAP標準のワークフロー
- S/4HANAで使われるFlexible Workflow
- SAP BTP上で使うプロセス自動化系の仕組み
ただ、現場での使われ方を見る限り、
「何となくSAP標準」「よく分からないけどSAPにあるから」
という理由で選ばれているケースも少なくありません。
ここが、後々しんどくなるポイントだったりします。
コンサル視点で見た、SAPワークフローの「正直いいところ」
まずはフェアに、
SAPワークフローの良いところからいきます。
これはもう、はっきりしています。
①基幹業務との一体感は圧倒的
会計、購買、在庫など、
SAPのコア業務に直結する承認については、SAPワークフローは本当に強いです。
- 承認対象が曖昧にならない
- トランザクションと完全に紐づく
- 後から監査で突っ込まれても説明しやすい
この「説明しやすさ」は、地味ですが超重要です。
②内部統制・監査対応が楽
これも現場では大きなメリットです。
- 誰が
- いつ
- 何を承認したのか
この情報がSAPの中で完結している安心感は、
監査対応や内部統制を考えるとかなり大きいです。
「とりあえずExcelで回してました」
が許されない会社ほど、SAPワークフローの価値は上がります。
正直しんどい…SAPワークフローの微妙なところ
ここからはSAPワークフローの微妙なところを解説していきます。
SAPワークフローが 「微妙」「使いにくい」 と言われる理由も、ちゃんとあります!!
①UIは業務部門に優しくない
これはもう、ほぼ全員が感じていると思います。
- 画面が分かりにくい
- 承認の流れが直感的じゃない
- 業務部門に説明するのが大変
「慣れれば大丈夫ですよ」と言いたくなる気持ちは分かりますが、
**業務部門は“慣れるために仕事をしているわけではない”**んですよね。
②ちょっとした変更でもSAPスキルが要る
- 承認ルートを少し変えたい
- 条件を1つ追加したい
こういった要望に対して、
業務部門だけで完結しないのがSAPワークフローの現実です。
結果として、
「変更したいけど、ITに依頼しないといけない」
「調整コストが高いから我慢する」
という状態になりがちです。
③システムをまたいだ瞬間、難易度が跳ね上がる
SAP単体ならまだしも、
- 他の業務システム
- SaaS
- 人事・経費系ツール
をまたいだ瞬間、
設計・運用の難易度は一気に上がります。
ここで「SAPだけで全部やろう」とすると、
大体どこかで無理が出ます。
他製品のワークフローと比べるとどう違う?
では、他製品のワークフローと比べるとどうでしょうか。
正直に言うと、
“業務から見て柔軟性が高い”のは他製品です。
- UIが分かりやすい
- 業務部門だけで変更できる
- 導入スピードが速い
このあたりは、SAPワークフローより明確に優れています。
ただし、その代償として、
- SAPとの連携設計が甘くなりがち
- 承認対象がブラックボックス化しやすい
- 後から統制面で困る
というリスクも抱えます。
【比較表】コンサル目線で見ると、こんな違い
かなり雑に言うと、こんな感じです。
| 観点 | SAPワークフロー | 他製品 |
|---|---|---|
| SAPとの親和性 | とても高い | 設計次第 |
| UIの分かりやすさ | 弱い | 強い |
| 内部統制 | 強い | 製品次第 |
| 柔軟性 | 低め | 高い |
| 導入スピード | 遅め | 速い |
※ どちらが良い・悪いではなく、性格が違うだけです。
結局、SAPワークフローは「使える」のか?
ここまでを踏まえた、コンサルとしての結論です。
SAPワークフローが向いているケース
- 会計・購買などSAP中核業務
- 監査・統制が重視される業務
- 承認の正確性が最優先
微妙になりやすいケース
- 人事・総務系の申請
- UI重視の業務
- 全社横断・頻繁に変わるフロー
「SAPだから使う」ではなく、
「この業務にはSAPが合っているか」
を考えるのが重要です。
コンサルとしてよく見る「失敗パターン」
最後に、現場でよく見る失敗をいくつか。
- 全部SAPで統一しようとして業務が回らない
- UIを軽視して現場が形骸化
- 将来像を決めずに作り込みすぎる
ワークフローは、
後から直すのが本当に大変です。
だからこそ、
最初の判断がすべてと言っても過言ではありません。
まとめ:SAPワークフローは「強いけど、癖がある」
SAPのワークフローは、
- 強力です
- でも万能ではありません
コンサル視点で見ると、
適材適所で使えば、これほど頼れるものはない一方で、
使いどころを間違えると、かなり厄介です。
「SAPのワークフローって実際どうなの?」
という問いに対する答えは、こうです。
ちゃんと分かって使えば、強い。
でも、分からずに使うと、しんどい。
この感覚が、この記事を読んだあとに残っていれば嬉しいです。

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