こんにちは!最近「SAP BTP(Business Technology Platform)」という言葉を耳にした方も多いのではないでしょうか?
SAPといえば、ERPなどの基幹業務システムを提供するグローバル企業として知られていますが、
その中でもBTPは、これからのSAPの中核を担う**「ビジネス×テクノロジー」の土台となる重要なプラットフォーム**です。
この記事では、SAP BTPとは何か、どんなことができるのか、どんな企業に向いているのかなどを、わかりやすく解説していきます!
SAP BTPとは?
SAP BTPは、「SAP Business Technology Platform」の略で、SAPが提供するクラウドベースのアプリケーション開発・統合・データ管理のための総合プラットフォームです。
わかりやすく言えば、BTPは「SAPをもっと柔軟に、速く、便利に使うための“土台”」のような存在です。
主なキーワード:
- 拡張:既存のSAPアプリケーションをBTP上でカスタマイズ・追加機能開発
- 統合:SAP以外の外部システム(SalesforceやSlackなど)との接続も可能
- 分析・AI活用:BTP内でAIモデルや分析基盤も構築できる
何ができるの?主要な機能を紹介
SAP BTPにはさまざまな機能がありますが、代表的なものを以下にまとめました。
カテゴリ | 主な機能 | できること |
---|---|---|
アプリ開発 | SAP Build / CAP(Cloud Application Programming) | ノーコード〜プロ向けまで対応 |
データベース | SAP HANA Cloud / SAP Datasphere | 高速なデータ処理・データ統合 |
統合 | SAP Integration Suite | SAPや外部システムとの連携が簡単に |
AI・自動化 | SAP AI Core / SAP Joule / Process Automation | 予測分析や業務自動化を実現 |
セキュリティ | ID認証・権限管理 | シングルサインオンやユーザー管理 |
つまり、BTPさえあれば「作る・つなぐ・分析する・守る」がすべて可能になります。
SAP BTPが必要とされる背景
クラウド時代への移行
従来のオンプレミス型ERPでは対応が難しい、スピードと柔軟性が求められる現代のビジネスに対して、BTPはクラウドネイティブな設計で応えます。
システムのサイロ化解消
部門ごとにバラバラに導入されたシステムを一つの“統合基盤”でつなぎ直すことができるのがBTPの強み。
拡張と標準の共存
S/4HANA Cloudでは「標準維持」が推奨される一方、独自要件への対応はBTPで行う、という“棲み分け”が推進されています。
どんな企業に向いているのか?
BTPは、以下のような企業に特に効果的です。
- S/4HANA Cloudを導入していて、標準外の要件に対応したい企業
- 複数のSaaSを活用しており、データや業務を横断的につなぎたい企業
- AIや業務自動化など、最新技術を活用したいが社内にノウハウがない企業
- ローコード・ノーコード開発で業務部門の自律開発を支援したい企業
他のSAPソリューションとの違い
S/4HANAとの違いは?
S/4HANAはERP(業務システム本体)であり、BTPはそれを拡張・連携・補完するためのプラットフォームです。
SAP Cloud Platformとの違いは?
BTPは、旧「SAP Cloud Platform(SCP)」がリブランディングされたもの。SCPの機能に加えて、AI・RPA・分析などの機能が統合され、より広範なプラットフォームに進化しました。
BTPで実現できる活用例
活用シーン | 内容 |
---|---|
SAPの承認フローをスマホから操作できるようにする | SAP Build Appsで簡単なUIアプリを作成 |
売上データからAIで需要予測 | SAP AI Coreでモデルを構築・展開 |
ChatGPTのような生成AIとSAPデータの連携 | SAP JouleやAPI連携で自然言語操作を実現 |
SalesforceとS/4HANAの受注データを同期 | Integration Suiteで双方向データ連携 |
業務プロセスの自動化 | SAP Process AutomationでBot作成 |
学び始めるためのおすすめステップ
SAP BTPを初めて学ぶ方には、以下のステップがおすすめです。
▶ ステップ1:公式サイトで概要を読む
- SAP公式ブログ・ヘルプポータルを活用
▶ ステップ2:無料アカウントでBTP環境を試す
- SAP BTP Trial(Free Tier)を使って実際に操作してみる
▶ ステップ3:学習コンテンツを活用する
- **SAP Learning(旧openSAP)**に無料講座多数
- Udemy、YouTubeなどでも基礎講座が充実
まとめ:SAPの未来はBTPが担う!
SAP BTPは、「ただの技術プラットフォーム」ではありません。
業務と業務、データとデータ、人とシステムを**シームレスにつなぐ“デジタルの基盤”**です。
これからのSAPは、“ERP単体”ではなく“BTPと組み合わせて活用する”のが常識になっていくでしょう。
もしあなたの会社が、
- SAP S/4HANAを活用している
- 各部門でバラバラにSaaSを導入している
- DXやAI活用を進めたいと思っている
なら、BTPの理解が大きな武器になるはずです。
今からぜひ、SAP BTPという未来への土台を知っておきましょう!

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